ドクター紹介
Doctor Introductionごあいさつ
このたび、大阪メトロ谷町線・堺筋線、阪急千里線の「天神橋筋六丁目駅」前に『ほその耳鼻咽喉科』を開院いたします。
医療を通して地域・社会に貢献することを理念として、安心感、温もりを備えた、何でも相談できる地域の耳鼻咽喉科かかりつけ医を目指していきます。
耳鼻咽喉科の領域でお困りの事がありましたら、お気軽にご相談ください。
院長 細野研二
院長
細野研二
奈良県立医科大学卒業
職歴
2002年 | 奈良県立医科大学耳鼻咽喉科教室入局 |
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2004年 | 済生会中和病院 耳鼻咽喉科 医員 |
2005年 | 大和高田市立病院 耳鼻咽喉科 医員 |
2007年 | 大和高田市立病院 耳鼻咽喉科 副医長 |
2010年 | 日生病院 耳鼻咽喉科 副医長 |
2011年 | 日生病院 耳鼻咽喉科 医長 |
2016年 | 日生病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 副部長 |
2018年 | 日本生命病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 副部長 |
主な研修会・講習会受講歴
第16回内視鏡下鼻内手術研修会(東京慈恵会医科大学)
第26回耳の手術研修会(東京慈恵会医科大学)
第33回耳の手術研修会(東京慈恵会医科大学)
第17回京都大学公開側頭骨手術解剖実習セミナー
補聴器適合判定医師研修会(厚生労働省主催)
音声言語機能等判定医師研修会(厚生労働省主催)
第21回日耳鼻産業・環境保健講習会(騒音性難聴の部)
緩和ケア研修会
第14回相模原臨床アレルギーセミナー
主な業績
原著
●細野研二,小山真司,畠山好央,清水直樹,細井裕司,家根旦有:咽頭・頸部食道魚骨異物の3例.耳鼻臨床,103(11):1035-1043,2010.
●細野研二,赤羽誉,岡本倫朋,谷口由希子,今泉哲宏,大嶋正人
:甲状舌管と甲状腺に同時に乳頭癌を認めた1例.頭頸部外,21(3):281-285,2012.
●細野研二,赤羽誉,岡安唯,尾崎大輔
:当院当院補聴器外来の現況.日生病医,40(2):101-106,2013.
●細野研二,赤羽誉,谷口由希子,今泉宏哲,岡安唯,篠原章人
:当科でのデジタル画像の簡便な記録・管理方法と活用システム.耳喉頭頸,85(11):925-931,2013.
●細野研二,赤羽誉,岡安唯,伊藤妙子 :甲状腺血管腫の1例.頭頸部外,24(3):329-334,2014.
●細野研二,赤羽誉,岡安唯,大山寛毅
:耳下腺筋上皮癌例.耳鼻臨床,108(5):389-395,2015.
●Kenji Hosono,Homare Akahane,Tadao Okayasu,Hiroki Ohyama
:A Case of Myoepithelial Carcinoma of the Parotid Gland.Pract Otol(Kyoto)Suppl,144:106-107,2015.
●細野研二,赤羽誉,大山寛毅,岡安唯,藤田裕人,小泉敏三,藤田信哉
:保存的治療にて治癒した咽頭・食道粘膜下膿瘍例,耳鼻臨床,112(6):383-390,2019.
●細野研二,赤羽誉,藤田信哉,小泉敏三,藤田裕人,西本知子,田中久仁子,高田洋子,山下千佳紗,横井一範,辻成佳,東山眞里
:扁桃病巣皮膚疾患に対する扁桃誘発試験の検討と扁桃摘出術の有用性について.日生病医誌,47:7-13,2019.
共著
●谷口由希子,細野研二,岡本倫朋,赤羽誉:当科におけるめまい症例の臨床検討.日生病医誌,38(2):121-125,2010.
●赤羽誉,谷口由希子,細野研二
:耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ-書類作成と留意点.耳喉頭頸,82(12):866-872,2010.
●赤羽誉,谷口由希子,細野研二,今泉宏哲
:喉頭全摘後の失声に対する音声再獲得-当科におけるProvox2®の使用経験‐.日生病医誌,39(2):109-113,2011.
●神田枝里子,赤羽誉,谷口由希子,細野研二,今泉広哲,中川厚,三木俊治
:めまいを主訴に当院救急搬送または時間外受診症例の過去1年間の臨床検討(2011年).日生病医誌,40(1):31-36,2012.
●岡安唯,赤羽誉,細野研二,伊藤妙子,仙頭正四郎
:体質判別チャート『読体術』によるメニエール病患者の東洋医学的な体質分析.日生病医誌,42(1):5-11,2014.
自己紹介
はじめまして。ほその耳鼻咽喉科院長、細野研二と申します。
大阪天満宮の表参道・門前町として発展してきた、天神橋筋商店街を中心とする活気や人情味にあふれたこの町で、地域医療に貢献したいと思いこの度開院に至りました。
私は大阪市出身で、奈良県立医科大学を卒業後、そのまま奈良県立医科大学耳鼻咽喉科教室に入局しました。研修医終了後は「県立の医科大学で学ばせていただいたからには、奈良県の医療に貢献しよう」と思い、県内の公立病院を中心に勤務しておりました。しかしその後、当時の細井裕司教授(現・奈良県立医科大学理事長兼学長)より大阪の病院への異動を考える機会をいただいた際、奈良県の医療にも一定の貢献ができたと感じたことや、より人口が多く症例数の多い施設で学びたいという思いもあり、2010年に大阪市西区の日生病院へ着任しました。日生病院(2018年春に新病院へ移転、病院名を日本生命病院へ変更)では、指導医、同僚、後輩、その他多くのスタッフに恵まれ、本当に多くの症例を経験させていただきました。その中で常に意識していたことは、「地域の総合病院耳鼻咽喉科の役割」です。主に、西区、大正区、港区、浪速区、中央区からご紹介をいただくことが多かったのですが、「地域の患者様が地域内で適切な医療を受けられるようにしたい」「希少な疾患や高度な医療を要する疾患は、大学病院または高度医療機関へ紹介させていただくしかないものの、一般的な疾患であれば大学病院や高度医療機関と比較して医療の質が劣らないようにしたい」ということを最大の目標として取り組んでまいりました。そのため、私自身が耳鼻咽喉科・頭頸部外科の中の特定の領域を追求したいというよりは、患者様や地域の先生方から望まれるもの(必要とされるもの)を勉強させていただいてきたという方が正しいかもしれません。
また奈良県の大和高田市立病院では、研修医の時から非常勤として外来診察を担当、その後常勤となり手術等も多数経験させていただいたのですが、大阪の日生病院へ異動後も非常勤として外来診察を続けさせていただくことができました。そのため患者様によってはお付き合いが15年以上に及ぶ場合もあり、病院勤務医としては大変貴重な経験をさせていただいたと感謝しております。自分が手術等の治療を担当させていただいた患者様を長く診察させていただくことで、本当に多くの教科書では得られない知識や経験が得られ、非常に勉強になりました。多くの患者様に温かく育てていただき、今日の自分なりの診療スタイルが出来上がったと思っております。
ただ病院で長く勤務し患者様の人生の一部に関わらせていただくことが増えるにつれ、一人ひとりの患者様とより長くお付き合いさせていただきたいという思いが強くなっていきました。また外来、手術、病棟、当直と慌ただしく過ぎていく毎日の中で、「もっとこうすればより良い医療、サービスを提供できるのではないか」「毎日もっと多くの患者様を診察できるのではないか」と思うようになりました。病院という大きな組織の中ではこれらを実現させることは困難であり、勤務医にはいずれ異動のタイミングが訪れます。さらに専門的な補聴器や甲状腺などの診療を受けるために、地域より総合病院へ紹介されてきた患者様を多く診察しているうちに、もっと地域医療に貢献できるのではないかとも考えるようになりました。そこで自分の理想の医療を追及するため、今回クリニックを開院することにいたしました。
これまでの診療と今後について
1.多数の手術経験に基づいた診療
地域の総合病院にて多くの患者様を担当させていただいたのが、何よりの財産だと考えています。前病院だけでも、手術室での執刀数は毎年100名以上となり、計800名以上の患者様と病気に向き合ってきました。またそれ以前の職場も含めると計1,000名以上の手術を執刀し、それ以外にも多数の手術に助手や指導で立ち会ってきました。扁桃摘出術、鼻副鼻腔内視鏡手術、喉頭微細手術、小児の鼓膜チューブ挿入術、アデノイド切除術といった耳鼻咽喉科の一般的な手術以外にも、鼓室形成術(適応:慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎)、上顎洞根本術(適応:慢性副鼻腔炎、術後性上顎のう胞)、後鼻神経切断術(適応:重症アレルギー性鼻炎)、唾液腺手術(適応:耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍など)、甲状腺手術(適応:良性・悪性腫瘍、バセドウ病)、副甲状腺手術(適応:原発性副甲状腺機能亢進症)、頸部リンパ節郭清術(適応:癌のリンパ節転移)なども多数執刀させていただきました。日本生命病院時代には癌治療についても指導いただき、頭頸部癌の拡大切除術にも関わり、また放射線治療や抗癌剤による化学療法も行って参りました。その中でより質の高い医療を提供するため、「がん治療認定医」を取得するとともに、緩和医療の研修にも参加し、がん治療のすべての時期に対応できるように努力してきました。専門性の高い手術としては、音声改善手術、気管食道シャントチューブ挿入術なども指導していただいた他、奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室の北原教授からは難治性メニエール病に対する手術治療(内リンパ嚢開放術)等も指導していただき、難治性めまいに対する診療も勉強させていただきました。本当に指導者に恵まれてきたと感謝しております。
実際に多くの手術を経験してきたからこそ、対応できる処置や治療があると考えています。個々の疾患や病状については、手術が必要かどうかの判断以外に、どのような方法で行うのか、入院中や術後の生活はどうなるのかといった視点からも説明させていただけると思います。
2.アレルギー診療
舌下免疫療法については、前職場時代、院内で行うだけでなく、地域の耳鼻咽喉科の先生方からのご要望もあり、地域の先生方と連携(副反応のリスクが高い初回導入を病院で担当し、その後は地域のクリニックで継続していただく)できるように体制を整え行ってきました。手術治療に関しては、鼻レーザー手術を院内で最も多く担当するとともに、重症のアレルギーで困っておられる患者様には鼻腔形態手術や後鼻神経切断術を行ってきました。また難病に指定されている好酸球性副鼻腔炎については、多くの患者様の診断や難病申請を担当し、手術も含め治療にあたってきました。2020年より術後再発重症例に抗体治療薬が適応となったため、必要と考える患者様に導入させていただき良好な結果が得られています。好酸球性副鼻腔炎の患者様は、気管支喘息を合併されている場合が多く、気管支喘息の診断や治療についても学び、同時に治療させていただくことも多くありました。
今後もアレルギー診療に力を注ぎ、舌下免疫療法、鼻腔レーザー手術、重症の方への抗体治療薬(注射)の導入などに積極的に取り組んでいくつもりです。また現在日本アレルギー学会に所属しており、今後も絶えず知見を広げていきたいと思います。
3.補聴器診療
成人に対する補聴器診療は前々職場時代に指導いただいて以来携わってきたものです。現在の制度では、耳鼻咽喉科医を介さなくても補聴器を購入できるため、一度も病院を受診されずに補聴器販売店で高価な補聴器を直接購入される方がまだまだ多くおられるのが現状です。その中に雑音や違和感のため補聴器をほとんど装用できないという方が多数おられることが以前より問題になっています。そのため少しでもそういった方を減らしたい、また補聴器の必要な患者様に適切な補聴器を提供したいとの思いから、日生病院では補聴器専門外来を立ち上げ、約11年間、月に4〜6回ほど専門診療を行ってきました。補聴器の無料貸出し期間を長めに設け、適合検査(補聴器の出力や効果を調べる検査)も行い、しっかりと調整した後に購入していただくことで、比較的高い満足度が得られており、地域医療に少しでも貢献できたかと考えております。日生病院では300名を超える患者様の補聴器相談や購入、また100名以上の身体障害認定(難聴)に携わらせていただきました。
今後も以前と同様、無料貸出し期間を設け、検査も行いながら補聴器技能者としっかりと調整させていただき、より多くの患者様に適切な補聴器をご使用いただけるようにしていきたいと考えています。そのため補聴器の専門診療を継続できるよう、広めの聴力検査室と検査設備を設置いたしております。また補聴器を使用されるご高齢の患者様の中には車椅子で受診される方もおられますので、車椅子でも聴力検査を受けていただきやすいよう、聴力検査室もバリアフリーとなっております。
※前職場での補聴器診療の実績が「手術数でわかるいい病院 2018」で紹介されました。
4.甲状腺診療
バセドウ病をはじめ、橋本病、亜急性甲状腺炎、甲状腺良性腫瘍、甲状腺癌、甲状腺悪性リンパ腫まで多くの甲状腺疾患の診断、治療に携わってきました。検査では頸部超音波検査に加え、これまで甲状腺腫瘤に対し1000件以上の(超音波下)甲状腺穿刺細胞診検査も経験しています。また施設基準を整え、甲状腺腫瘍に対する経皮的エタノール注入療法(Percutaneous Ethanol Injection Therapy:PEIT)も行ってきました。甲状腺については、健診等で疾患が発見される機会が増えているにもかかわらず、専門的な診療を受けられるクリニックは少ないのが現状ですので、少しでも地域のお役に立てるように、当院では超音波検査以外に甲状腺機能検査(血液検査)や穿刺細胞診も行なっていきます。また甲状腺機能検査については結果確認のために後日再度受診していただく必要がないよう、検査当日に30分程度で結果を確認できるようにいたします。
5.睡眠時無呼吸診療
閉塞性睡眠時無呼吸症の治療として、扁桃肥大や咽頭狭窄を認める方には以前より手術治療を行っておりましたが、日生病院に赴任後、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を必要とする患者様が多かったため、CPAP療法も指導いただき学んできました。耳鼻咽喉科として、口腔や咽頭の形態を評価し手術の効果が望める方には手術を、それ以外の方にはCPAP療法や口腔内装置(Oral Appliance;OA)をお勧めし、多くの患者様の治療を担当して参りました。耳鼻咽喉科医としては、他科でCPAP治療を開始する前に一度耳鼻咽喉科を受診していただき、口腔や咽頭の形態を評価させていただくことが重要であると考えています。また睡眠医療センターで開催される勉強会にも参加させていただき、少しでも良い医療を提供できるようにと日々診療してきたところ、最終的には睡眠時無呼吸症の治療(CPAP、手術)を院内で最も多く担当させていただくことになりました。今後もCPAP療法など積極的に取り組んでいくつもりです。日中の眠気や倦怠感を自覚された場合、ご家族に激しいイビキを指摘された場合など、一度当院へご相談下さい。
6.漢方医療
耳鼻咽喉科の範囲には、耳鳴りやめまい・ふらつきなど、西洋医学だけではなかなか改善が難しいものも多く、10年以上前から漢方治療の勉強をして参りました。漢方治療は、病気を治すというよりも、一人ひとりの患者様の体質や自覚症状を重視し、身体の不調を改善しQOL(生活の質)の向上を目指すものと考えております。今まで多くの患者様の治療にあたり、その有用性を実感しております。個別に煎じさせていただくことはありませんが、100種類以上ある約束処方(生薬を混合した複合剤で、配合する生薬や配合比率があらかじめ決められているもの)の中から、症状や病態に応じて選択させていただきます。これは一度煎じた漢方薬を乾燥させたものでエキス剤とも呼ばれ、手軽に服用でき携帯にも便利なものです。現在日本東洋医学会に所属しており、今後も絶えず知見を広げるように努力していくつもりです。