コラム
Column「季節性アレルギー性鼻炎セミナー」にパネリストとして参加してきました
「季節性アレルギー性鼻炎セミナー」
2022年1月27日に開催されたWEB配信を中心とした「季節性アレルギー性鼻炎セミナー」に登壇して参りました。今回のセミナーでは、主に「重症のスギ花粉症でお困りの方にどのような医療を提供していくべきか」という点について、鼻科診療で著名な先生方とディスカッションを行いました。
総合司会:
朝子幹也 先生(関西医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 病院教授)
パネリスト:
荻野枝里子 先生(京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 院長)
識名崇 先生(しきな鼻クリニック千里 院長)
金子俊彦 先生(金子耳鼻咽喉科 院長)
内容
ディスカッションの結果を簡単にまとめてみました。
- 毎年スギ花粉症で治療(内服や点鼻薬)を受けても症状でお困りの方(重症のスギ花粉症の方)には、手術や舌下免疫療法といった治療以外に「ゾレア(抗IgE抗体製剤)」という選択肢が広がりつつある
- 昨年のスギ花粉症のシーズン中、大阪では200名以上の重症のスギ花粉症の方が「ゾレア」の治療を受け、95%以上の方が効果を実感された
- 「ゾレア」は目のかゆみにも高い効果を認めた
- 中学生以上で屋外でのクラブ活動や課外活動(野球、サッカーなど)を行う方には、しっかり花粉症対策を行っていく必要があり、「ゾレア」は良い選択肢となり得る
- スギ花粉以外にも複数のアレルギーを持たれており、鼻の形態異常も認める方には手術治療の優先順位が高い
- スギ花粉症の根本的な改善を期待される方には「舌下免疫療法」が望ましい
- 特に小児ではアレルギーが進行していく場合も多く、通常の治療(内服や点鼻薬)以外に「舌下免疫療法」も積極的に考えていくことが望まれる
- 現在新型コロナウイルス感染が急速に拡大しており、今年の花粉症シーズンは例年以上に「くしゃみ」などの症状をしっかり抑えることが、感染拡大を抑制することにもつながると考えられ、われわれ耳鼻咽喉科医の重要な責務と考えられる
上記のように、アレルギー性鼻炎や花粉症に対する治療には様々な選択肢が広がっており、患者様の生活の中での支障度(困り度)やライフスタイル、仕事内容、年齢、治療のストレス、費用対効果といった複数の要素を総合的に考え、選択していくことが望ましいと考えます。(→アレルギー性鼻炎の詳細についてはこちら)
当院では、ゾレアによる治療、舌下免疫療法(スギ花粉、ダニ)、鼻レーザー手術などを行っております。アレルギー性鼻炎、花粉症でお困りの際には、お気軽に当院までご相談いただければ幸いです。