良性発作性頭位めまい症
Medical information
良性発作性頭位めまい症とは
良性発作性頭位めまい症(BPPV:benign paroxysmal positional vertigo)
特定の頭位にて誘発される回転性めまい発作を繰り返す疾患で、末梢性めまい疾患(頭部に原因があり生じる中枢性を除いたもの)の中で最も多いものです。めまい発作は1~2週間程度で自然に改善することが多い
症状
特徴:
①特定の頭位をとると、回転性のめまい(天井や景色が回る)が生じます。起床や就寝時、洗濯物を干す時(上向き)や寝返り時などに注意が必要です
②めまい発作は数秒~数分程度続きます
③何度も同じ頭位を繰り返すと、めまいは軽減するか起きにくくなります
原因
内耳の前庭器(耳石器,半規管)の障害で生じます。耳石器から剥離した耳石が後半規管や外側半規管内を浮遊し、この耳石が移動または半規管感覚器(クプラ)に付着することで回転性めまいが誘発されると言われています。
治療
■薬物療法…めまい症に対する一般的な治療にてめまい症状を抑えます
抗めまい薬、血管拡張薬、制吐薬、循環改善薬、抗不安薬など
■頭位治療…頭部の運動により耳石を半規管内から外へ移動させます(浮遊耳石置換法など、原因となる半規管の部位や性状に応じて様々な方法があります)。
■リハビリ運動…自宅にて半規管に刺激を与えるような運動(体操)を繰り返し行います
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・回転性めまい発作によって吐き気や嘔吐の症状を伴うことはありますが、難聴や脳の障害を伴うことはありません。良性と名前がついているように、基本的には大きな心配のいらない、自然に治ることも多い病気です。
・ただ回転性めまい発作が起こっていない時でも、ふわふわした感じ(浮遊感)や乗り物酔いしている感じ、めまい発作に対する不安感(いつめまい発作が起こるか分からず怖い)をよく訴えられます。このような症状を認める場合には、お薬を飲まれることをお勧めします。
・当院では赤外線CCDカメラを用いた眼振検査(眼球の異常な動きを調べる検査)や聴力検査等を行い診断がついた場合、お薬の治療以外にご自宅でのリハビリ運動(体操)を指導させていただきます。このリハビリ運動を続けることで早く改善するようになります。急なめまい発作を認めた場合、また1-2週間で治らない場合には当院へお気軽にご相談下さい。