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カラダの相談室【コロナ禍の上咽頭炎】

このコラムは産経新聞の「カラダの相談室」特集記事(当院院長のインタビュー記事)の転載です。(第3回 2023.03.06付 産経新聞夕刊)
第3回原稿

コロナ罹患後症状(コロナ後遺症)は上咽頭(じょういんとう)炎との関連も考えられています。治療は1960年代から行われていた「上咽頭擦過(さっか)療法(EAT)」があります。当時は全国に広まることはなかったのですが、新型コロナウイルス感染症(以降コロナ)によって注目されています。

コロナ後遺症原因に上咽頭炎
注目される古くからの治療法

Q コロナが治った後、倦怠(けんたい)感や頭痛、関節痛などの症状があります。原因を教えてください。

A それらの症状はコロナによる上咽頭炎が原因かもしれません。上咽頭は鼻の奥から口蓋垂(こうがいすい、通称・のどちんこ)までの部分で、内科的な診察では見ることができない喉(のど)の一部です。風邪でも上咽頭が炎症を起こし、喉の痛み▽違和感▽後鼻漏(こうびろう)による痰の絡み▽咳▽首や肩のこり―など炎症による症状が現れます。

また、上咽頭は神経が豊富で脳からの迷走神経も分布し、自律神経とも密な関わりがあります。炎症によって自律神経系に異常をきたすと倦怠感やめまい、うつ・気分の落ち込みといった症状も発現します。

さらに、上咽頭は体内の免疫システムとも関連しています。炎症で免疫系の暴走が起こり関節リウマチなどの自己免疫疾患やIgA腎症などの2次疾患が生じるとも考えられています。

コロナでは発熱や呼吸器の症状が落ち着いた後も、倦怠感や頭痛、関節痛などの後遺症が長く続く人は4人に1人以上と言われています。さらに、上咽頭に炎症が続く人も多くいることが明らかになってきました。

コロナ後遺症の詳細なメカニズムは現在、分かっていません。咳や痰、呼吸苦、嗅覚・味覚障害、倦怠感、関節痛、しびれ、気分の落ち込み、不眠など症状は多岐にわたります。これらは上咽頭炎の影響とも考えられます。

Q 診断や治療はどのようにするのですか。

A 上咽頭炎の特徴はその粘膜のうっ血と腫(は)れです。診断は経鼻内視鏡で上咽頭の粘膜を観察したうえ、塩化亜鉛溶液を染み込ませた綿棒で粘膜をこすります。粘膜がうっ血していると、綿棒に血液がにじんでくるため、上咽頭炎と診断できます。

治療法にはEATがあり、1960年代に「B(鼻腔のB)スポット療法(現EAT)」として東京医科歯科大学の堀口申作教授が積極的に取り組んでおられました。 EATは前述の診断法と同様に、塩化亜鉛溶液を含んだ綿棒を鼻や喉から直接挿入して、上咽頭を強くこするという治療法です。

この方法により、塩化亜鉛の「炎症抑制作用」、うっ血を取り除く「瀉血(しゃけつ)作用」、自律神経や免疫疾患に関係する「迷走神経刺激作用」の3つが期待できます。

しかし、当時は治療法として全国的に広まることがありませんでした。さまざまな症状などが改善されてもエビデンス(科学的根拠)がなかったことなどが理由です。近年、日本口腔・咽頭科学会が中心になり、EATの有効性を検証する活動が続けられています。

ここ数年コロナ後遺症治療でEATが注目を集めるようになり、倦怠感や頭痛、集中力低下などの症状にも有効であることが分かってきました。ただ、EATは綿棒でこするときの「痛み」を伴います。週に1回で10回程度、我慢して治療すれば改善効果を実感できる人が多くいます。その他、薬物治療や鼻うがいも行います。

 

昔から『風邪は万病のもと』と言われます。コロナ後遺症に限らず、上咽頭炎の症状を疑う場合、診断とEATを受けることのできる耳鼻咽喉科を探し相談してみてはいかがでしょうか。

 

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