上咽頭炎
Medical information上咽頭炎とは
鼻とのどの間(境界部分)を上咽頭(咽頭の一番上の場所)といいます。
この上咽頭に、急性または慢性の炎症が生じている状態です。
症状
①上咽頭の症状
のどの上の方の痛み、または違和感や乾燥感や声の出しにくさなど
②後鼻漏
中~下咽頭へ流れる分泌物が増加
→痰が絡んだ感じ、のどのつまり感、声の出しにくさなど
③上咽頭炎に関連した痛み
首や肩のこり、頭痛、頭重感など
④その他
自律神経障害(倦怠感、めまい、睡眠障害など)
原因
感染(細菌、ウイルス)、冷え、疲労やストレス、乾燥、鼻炎の影響、逆流性食道炎などが考えられます。
ただ慢性炎症については、原因を特定することは困難な場合が多く、いくつかの要因が組み合わさって生じていると思われます。
治療
症状や病歴などに加え、鼻咽腔内視鏡検査などを行い診断します。
治療は、薬物療法や処置などの保存的治療が中心になります。
処置として、上咽頭擦過療法が有効な方もおられます。
また自宅での「鼻うがい」も有効な場合があります。
<上咽頭擦過療法>
「EAT(Epipharyngeal Abrasive Therapy)」または、「Bスポット療法 」と呼ばれています
【方法】
上咽頭に綿棒などで薬液を擦り付けます。1回あたりの処置は1分程度です。処置の頻度は、症状に応じて1回/2週~2回/週まで様々です。通常、5~10回以上繰り返すことで効果が期待できます。
【期待できる効果】
①上咽頭の消炎効果
②瀉血効果…うっ血状態を改善させる
③迷走神経刺激
【起こり得る合併症】
①疼痛(処置後は数日続く場合があります)
②出血
※生活習慣、環境、鼻咽腔の構造や性状等により、効果を認めない場合もあります
先生より
院長 細野研二
プロフィール
・新型コロナウイルス感染拡大後より、ウイルス感染後に上咽頭炎が続くケースが増えています。
・鼻の奥やのどの上の方の違和感、後鼻漏を認める場合には、一度耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
・当院では、慢性炎症の場合に、希望に応じて「EAT療法(Bスポット療法) 」を行っています。