前庭神経炎
Medical information前庭神経炎とは
蝸牛症状(聴力低下、耳鳴)を伴わない突発的な激しい回転性めまい発作を主徴とする疾患
症状
突発的な激しい回転性のめまいが数日から1週間ほど続いた後、しばらくふらつき感、頭重感が持続します。
めまい症状が強い期間は嘔気や嘔吐も認めます。
めまい発作と関連する聴力低下や耳鳴は伴いません。
原因
前庭神経(平衡感覚のコントロールを助けている第8脳神経の分枝)の炎症で生じます。
めまい症状が出現する7~10日前に上気道感染、あるいは感冒に罹患していることが多いとも言われており、ウイルス感染との関連が考えられています。
治療
めまい症状が強い急性期は、まず安静にすることが大切です。
めまいが激しく日常生活が困難な場合には、連携医療機関での入院治療(数日~1週間程度)が必要なこともあります。
a.薬物療法…めまい症に対する一般的な治療にてめまい症状を抑えます
抗めまい薬、血管拡張薬、制吐薬、循環改善薬、抗不安薬など
b.リハビリ運動…強いめまいが治まった後、通常1~3ヵ月程度でふらつきも消えていくことが多いですが、長くふらつきが続く場合もあります。そのため強いめまいが改善し起立歩行が可能となれば、積極的にリハビリ運動を行い、平衡感覚を改善させる必要があります。
先生より
院長 細野研二
プロフィール
・耳鼻咽喉科領域の他のめまいと比較して、めまいが強く、また持続時間が長いことが特徴です
・当院では赤外線CCDカメラを用いた眼振検査(眼球の異常な動きを調べる検査)や聴力検査、平衡機能検査等を行います。急性期を過ぎられた方へはリハビリ運動(体操)も指導させていただきます。急なめまい発作を認めた場合には当院へお気軽にご相談下さい。