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コラム
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2024/12/02
60歳のマッチが「聴力検査」呼びかけ
『マッチ60歳、聴力検査デビューします!』という近藤真彦さんが出演するCMや広告をみなさんご覧になられたでしょうか。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は令和6年7月1日から、タレントの近藤真彦さんを起用して聴力検査の重要性を訴えるACジャパンの支援広告キャンペーンを開始しています。近藤さん出演のCMは1年間にわたり全国のテレビ・ラジオで放送されるほか、新聞や雑誌などのメディアにキャンペーン広告が掲載されるようです。「マッチ60歳、聴力検査 デビューします!」と書かれたポスターには、聴力検査器機を持つ近藤さんの写真とともに、往年のヒット曲を連想させる言葉が織り込まれています。
現在、加齢による難聴(加齢性難聴と言います)は放置した場合、コミュニケーションの低下にとどまらず、認知症やうつ病などにも繋がっていく危険があることが知られており、さらに社会的な孤立を深めたり、就業機会を喪失したりといった社会的な課題にも関連すると言われています。特に近年、認知症を予防できる可能性が最も大きい因子が「中年期以降の難聴」の予防・介入であることが言われるようになっており、「認知症のリスク」を検証した2024年の論文でも、「中年期(45歳以上)以降の難聴」が認知症の発症リスクの最大要因の一つとして報告されています。これは他の「高血圧」「肥満」「喫煙」「糖尿病」「過度の飲酒」といった「認知症のリスク」として一般的に想像し得る要因と比べ影響が大きいと考えられる結果で、認知症を予防できる要因のうち、難聴はその影響が最も大きいと言われています。また難聴を認める場合、認めない患者に比べ、認知症のリスクが37%高くなることも示されています。
![図1年代別リスク因子と介入によるリスク減少の程度(文献1より引用)](https://hosono-ent.com/wp-content/uploads/2024/10/risk2.png)
中年期以降では難聴は増えてくるものの、50〜60代は自覚症状が乏しいこともあり、定期的な聴力検査が勧められます。
「聞きかえし」 「聞き間違い」が多くなったら、まず耳鼻咽喉科で聴力検査を受けましょう。
なお、当院では「補聴器外来」にて、医師が補聴器の必要性を判断し、患者様が希望された場合に、最低でも約2か月程度の無料貸し出し期間を設け、補聴器技能者とともに補聴器の調整を行っています。また貸し出し期間終了前には補聴器適合検査を行い、目標とするレベルに到達しているかどうかを確認しています。これにより「使ってもらえる」「なくてはならない」補聴器になると考えています。補聴器のことなら、当院へお気軽にご相談ください。
CM動画は以下のACジャパン公式ページでもご覧いただけます。
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_07.html
難聴と認知症の関係
https://owned.jibika.or.jp/hearinglossanddementia(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会HP)
参考文献
- Livingston G, et al. : Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet. 2024 Jul 30 : S0140-6736(24)01296-0.
(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01296-0/abstract)